Mibuki が独自開発した間隔反復(SRS)モデル。公開3ベンチマークで業界標準 FSRS-7 のデフォルト設定を大きく上回り、ユーザーごとの個別最適化を行う前から高い個人化精度を発揮します。
← LangDict に戻る公開: 2026年6月21日 / 最終更新: 2026年7月28日 / ベンチマーク実行: 2026年6月 / 対象バージョン: Lexa 3.0
記憶の癖は、カードをまたいで共通している。だから「他のカード」が一番のヒントになる。
間隔反復スケジューラの核心は「いつ復習すべきか」を決める記憶保持率の予測です。業界標準の FSRS はこれを、ユーザーごとにパラメータを最適化(per-user fitting)して個人化します。強力ですが、ユーザーごとの調整が必要です。
Lexa は対照的です。忘れやすさ・評価の付け方・復習リズムといった記憶特性はカードをまたいで共通しています。Lexa は予測したいカードだけでなく、同じユーザーの“他のカード”の復習履歴を文脈(in-context)として読み込み、ユーザーごとの調整なしに、1つの共通モデルがその人に合わせた予測を出します。
言い換えると — 「他ユーザーの傾向」を学ぶのではなく、「あなたの他カード」からあなたの忘れ方を即座に読み取る。これが Lexa の新規性です。
他カードの履歴を読み取り、カードごとの記憶の定着度を推定して次の復習日を決めます。
個別最適化を行う前の標準設定の FSRS-7 を、3つの公開ベンチマークすべてで大きく上回ります。
記憶予測スコア(1 − Log Loss・高いほど良い)
FSRS は更新の速いプロジェクトです。ここに載せているのは上記時点の比較であり、最新版の FSRS とは結果が異なる可能性があります。比較対象は FSRS-7 のデフォルト設定で、掲載しているベースラインの数値は LangDict リポジトリ内の実行結果(research/srs-benchmark/result)から再計算して一致を確認しています。
| データセット | FSRS-7 (default) | Lexa 3.0 |
|---|---|---|
| Anki | 0.646 (.3543) | 0.682 (.3184) |
| Duolingo | 0.577 (.4231) | 0.672 (.3280) |
| maimemo | 0.488 (.5121) | 0.538 (.4621) |
Lexa は個人ごとの調整・学習を必要とせず、個別の学習フェーズなしで高い個人化精度を発揮します。どちらのモデルもまだ個人に最適化されていない“素の状態”でも、Lexa は FSRS-7 のデフォルト設定を3データセットすべてで上回ります。差は一様ではなく、Duolingo で +0.095、maimemo で +0.050、Anki で +0.036 です。
3つの実世界データセットで評価しています。
~727M レビュー / 10,000 ユーザー
標準的なフラッシュカード
~226M レビュー / 語彙学習
中国語語彙アプリ
~13M レビュー / セッション型
HLR データセット
指標: per-user weighted Log Loss(低いほど良い)。
精度はベンチマークの数字に留まらず、学習体験に直接効きます。
「忘れかけた瞬間」をより正確に捉えて復習を出します。早すぎれば退屈、遅すぎれば再学習コスト。Lexa はその窓を狭めます。アプリ内のレポートでは「直近7日間の予定復習数の削減率」を表示しています。これは同じ学習履歴を SM-2 方式で計算した場合との比較による推定値であり、学習成果を測定したものではありません。
調整するパラメータも、個人別の学習待ち時間もありません。アプリを開いて学ぶだけで、最初からあなたに合わせてスケジュールします。
個人化の推論はすべて端末上で行われます。プライバシーと精度を両立しています。
自社ベンチマーク基盤で実験を繰り返し、ユーザーに届けるモデルを継続的に改善しています。
open-spaced-repetition. FSRS: Free Spaced Repetition Scheduler. GitHub.
open-spaced-repetition. srs-benchmark: Benchmark of Spaced Repetition Algorithms. GitHub.
open-spaced-repetition. anki-revlogs-10k: Anki review logs from 10,000 users. Hugging Face.
Settles, B., & Meeder, B. (2016). A Trainable Spaced Repetition Model for Language Learning. Proceedings of the 54th Annual Meeting of the ACL.
Ebbinghaus, H. (1885). Über das Gedächtnis: Untersuchungen zur experimentellen Psychologie. Leipzig: Duncker & Humblot.